こんにちは。今回は、話題の書籍『健康になる技術大全』を読んで得られた気づきや学びを、読書感想としてお届けします。
「健康」と聞くと、食事や運動ばかりが注目されがちですが、本書はその一歩先を行きます。
エビデンスに裏打ちされた知識と、行動科学に基づいた実践的アドバイスが満載で、読んでいて非常に腑に落ちる内容ばかりでした。
この記事では、本書の中でも特に印象に残った以下の4つのテーマに分けてご紹介いたします。
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エビデンスの見極め方
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習慣化の心理学
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食事と健康の本質
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運動の価値と4つのポイント
「健康情報」に振り回されないために大切な“エビデンスの強さ”
まず最初に驚いたのが、エビデンス(科学的根拠)にも「強さ」があるということ。
例えば、テレビやSNSで「○○が健康に良い」と紹介されていても、それが専門家の個人的な意見や動物実験レベルの情報であれば、私たちがすぐに実践するにはリスクがあるのです。
エビデンスにも強さがあるのって知ってた?
人的資本に対しての投資を考え始めて読んでる「健康になる技術大全」に出てくるんだけど、エビデンスにも強弱があって、結論付けるには弱いエビデンスなのに断定してしまってるメディアも多いんだとか。… pic.twitter.com/ONzG7fzh1r
— さっく@資産運用勉強中🔰 (@sak__shin) April 16, 2025
本書では、エビデンスの信頼度を次のように分類しています。
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複数の研究を統合したレビュー(最も信頼性が高い)
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無作為化比較試験(RCT)
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対照群のある前後比較
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単発の事例
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専門家の意見や動物実験(信頼度は低い)
健康情報に接したとき、「これはどのレベルのエビデンスに基づいているのか?」と立ち止まって考える習慣を持つことが、これからの時代に必要だと強く感じました。
習慣を味方につける人が、健康を手に入れる
「健康的なことは分かっている。でも続かない…」
こんな悩み、誰もが一度は感じたことがあるのではないでしょうか?
本書では、習慣化にまつわる心理的バイアスが紹介されています。
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現状維持バイアス:人は変化を本能的に嫌う
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現在志向バイアス:目先の快楽を優先してしまう
この2つのバイアスが、私たちの健康的な行動の妨げになっているのです。
そこで著者が提案しているのが、「習慣を行動の中に組み込む」という方法。
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すでに毎日行っている行動に、新しい行動を“くっつける”
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同じ場所・時間で繰り返すことで脳が覚えやすくなる
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ストレスの少ないときに新しい習慣を始める
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「〜のときは○○する」と状況を先に決めておく
例えば、「歯を磨いたらスクワットを10回する」など、具体的な環境と結びつけることで習慣は定着しやすくなるそうです。
しかも、習慣の約40%は無意識に行っているとのこと。つまり、一度習慣になれば努力不要で健康になれるのです。
食事は「未来の健康」への投資
食生活についても、本書では興味深いデータが多数紹介されていました。
中でも印象的だったのが以下のポイントです。
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野菜や果物を多く摂る人ほど死亡率が低い
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白米を多く摂るアジア人は糖尿病リスクが高い
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加工肉や赤肉は発がん性がある(WHO発表)
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ブルーベリーやリンゴ、レーズンは糖尿病リスクを下げる
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タンパク源は魚や豆類、鶏肉、ナッツ類がおすすめ
さらに、「塩分過多」「野菜不足」など、日本人特有の食生活の傾向にも触れながら、どうすればより良い食生活を送れるか、丁寧に解説されています。
特に「サプリメントは医師の指導のもとに」という姿勢はとても納得。
自己判断で“健康そうなもの”を摂るのではなく、科学と専門家の視点を取り入れることが大切だと再認識しました。
「楽しい運動」が心と体を救う
運動に関しては、「体を動かす=筋肉を鍛える」だけではないという点が新鮮でした。
本書では、次の4つの運動タイプをバランスよく取り入れることを勧めています。
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有酸素運動(ウォーキングやジョギング)
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筋力増強運動(筋トレなど)
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柔軟運動(ストレッチなど)
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バランス運動(ヨガや太極拳など)
そして、習慣化のために意識したいのがこちらのポイント。
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「楽しい」と感じること
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目標を持ち、記録をつける
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仲間と一緒に体を動かす
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運動する時間は“何が何でも守る”
つまり、運動を義務から喜びに変えることが、長く続ける秘訣なのです。
また、座りっぱなしの生活が健康リスクを高めるというデータもあり、「立つ・歩く・動く」を日常に取り入れるだけでも、十分効果があることが分かりました。
最後に:本当の「健康」とは何か?
『健康になる技術大全』を通して得た最大の気づきは、
幸せや生きがいを感じながら満ち足りた人生を送ることが、本当の意味での健康である
という著者のメッセージです。
エビデンス、習慣、食事、運動…どれも大切ですが、どこか義務のように感じてしまうと、続けるのが苦しくなりますよね。
でも、本書が教えてくれたのは、「日常に少しずつ、でも確実に“健康を楽しむ仕組み”を取り入れることが、未来を変える力になる」ということ。
小さな習慣が、大きな変化を生み出します。
この記事が、あなたの健康を考えるきっかけになれば幸いです。